教育プログラムの概要
本ページでは「高松大学経営学部 数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」について説明する。
Society5.0と呼ばれる未来社会の業務シーンにおいては、課題発見及び課題解決を含め、様々な業務遂行のために数理・データサイエンス・AIの実践的活用が必要不可欠であると考えられる。本教育プログラムは、この実践的活用能力を身につけるための教育プログラムである。本教育プログラムでは、全学共通教育におけるリテラシーレベル教育プログラムの学修を基盤とし、より発展的な学修を行う。数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム作成のモデルカリキュラムに基づいた科目群を経営学部専門科目として開講し、アセスメントポリシーに基づいて質保証を行う。
経営学部は、科目区分「専門科目(経営情報コース)」のなかに、理論と実践の科目として「データエンジニアリング基礎」「AI基礎」「ビジネスインテリジェンス」を令和5年度カリキュラムから新たに設けた。既存の「経営情報概論」「統計学概論」を含む諸科目と連携しながら、実際のデータ活用の経験を積み重ねることで、本教育プログラムが目的とする実践的活用能力の育成を目指している。本教育プログラムは、経営情報コース所属の学生だけでなく、経営学部の他のコースの学生に対しても履修を推奨しているほか、他学部からの履修も可能としている。
教育プログラムの学修成果
経営学部では、未来社会の業務シーンにおける課題発見及び課題解決のために必要不可欠だと考えられる数理・データサイエンス・AIの実践的活用能力について、学生が身につける学修成果として、応用基礎レベル(F)~(H)の3項目を設定している。これらは、リテラシーレベルにおける学修成果を基盤としている。
分類記号 | 学修成果 | 説明 |
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(F) | 技術基盤の理解 | 数理・データサイエンス・AIを支える技術基盤について理解を深め、仕組み、前提、適用の限界を把握することで、業務シーンにおける実際の応用の際に適切な判断を行うことができる。 |
(G) | 実践経験の活用 | 実際のデータを取扱うなかで、技術や理論の表面的な知識にとどまらず、本質を肌感覚として理解し、実際の課題に柔軟に対応できる応用力が養われる。 こうした実践的な経験を重ねることで、さまざまな業務シーンにおいて、データから課題を汲み上げる、もしくはデータに基づく課題解決に向けて、適切なアプローチを取ることができる。 |
(H) | 業務への組込み | 数理・データサイエンス・AI技術の業務への組込みにあたって、業務課題を明確にし、現場のニーズを反映させながら、業務プロセスの改善や効率化に向けて、データ整備、分析・可視化手法の確立、インフラの構築、運用に至るまでの計画を主導または支援することができる。 |
構成する授業科目
区分 | コード | 科目名 | 単位形式 | 配当年次 | 配当期 | 経営学部卒業必修 | プログラム修了要件 | 学修成果分類記号 | |||
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前期 | 後期 | (F) | (G) | (H) | |||||||
専門科目 (共通科目) |
GBN214 | 統計学概論 | 2L | 2 | ○ | ● | ○ | ||||
INF101 | 経営情報概論 | 2L | 1 | ○ | ● | ● | ○ | ○ | |||
専門科目 (経営情報コース) |
INF220 | プログラミング | 2L | 2 | ○ | ○ | ○ | ||||
INF221 | プログラミング演習 | 2L | 2 | ○ | ○ | ○ | |||||
INF222 | AI基礎 | 1E | 3 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | |||
INF261 | 情報コンテンツ表現概論 | 2L | 3 | ○ | ○ | ||||||
INF263 | 情報倫理及びセキュリティ | 2L | 2 | ○ | ○ | ||||||
INF264 | データエンジニアリング基礎 | 2L | 2 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | |||
INF317 | ビジネスインテリジェンス | 2L | 3 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | |||
INF321 | データベース論 | 2L | 2 | ○ | ○ | ○ |
文部科学省の示す領域・内容と授業科目の対応
領域 | 文部科学省の示す内容 | 学修項目番号 | 授業科目 |
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応用基礎コアⅠ | データ表現とアルゴリズムの内容を含む授業科目 データサイエンスとして、統計学を始め様々なデータ処理に関する知識である「数学基礎(統計数理、線形代数、微分積分)」に加え、AIを実現するための手段として「アルゴリズム」、「データ表現」、「プログラミング基礎」の概念や知識の習得を目指す。 |
1-6 |
・経営情報概論 ・統計学概論 |
1-7 |
・経営情報概論 ・プログラミング ・プログラミング演習 |
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2-2 |
・経営情報概論 ・データエンジニアリング基礎 ・情報コンテンツ表現概論 ・データベース論 |
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2-7 |
・データエンジニアリング基礎 ・プログラミング ・プログラミング演習 |
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応用基礎コアⅡ | AI・データサイエンス基礎の内容を含む授業科目 AIの歴史から多岐に渡る技術種類や応用分野、更には研究やビジネスの現場において実際にAIを活用する際の構築から運用までの一連の流れを知識として習得するAI基礎的なものに加え、「データサイエンス基礎」、「機械学習の基礎と展望」、及び「深層学習の基礎と展望」から構成される。 |
1-1 |
・データエンジニアリング基礎 ・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス ・情報倫理及びセキュリティ |
1-2 |
・データエンジニアリング基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
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2-1 |
・データエンジニアリング基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
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3-1 |
・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
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3-2 |
・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス ・情報倫理及びセキュリティ |
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3-3 |
・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
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3-4 |
・AI基礎 | ||
3-5 |
・AI基礎 | ||
3-10 |
・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
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応用基礎コアⅢ | AI・データサイエンス実践の内容を含む授業科目 「データを人や社会にかかわる課題の解決に活用できる人材」に関する理解や認識の向上に資する実践の場を通じた学習体験を行う学修項目群。応用基礎コアのなかでも特に重要な学修項目群であり、「データエンジニアリング基礎」、及び「データ・AI活用 企画・実施・評価」から構成される。 |
Ⅰ | ・データエンジニアリング基礎 ・プログラミング ・プログラミング演習 ・情報コンテンツ表現概論 |
Ⅱ | ・データエンジニアリング基礎 ・AI基礎 ・ビジネスインテリジェンス |
修了要件
「経営情報概論」「統計学概論」「データエンジニアリング基礎」「AI基礎」「ビジネスインテリジェンス」の単位修得をもって、本教育プログラムを修了したものとする。
教育プログラムの実施体制と内部質保証の体制
経営学部及び各委員会等が連携を図ることで、本教育プログラムが実施される。
委員会等 | 役割 |
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運営会議 (専門部会 Society5.0ワーキンググループ) |
本教育プログラムの方針や実施体制を整えるとともに、実施計画を策定する。また、要件定義及び学修成果の設定、学修成果の達成状況を把握するためのアセスメント・ポリシーの定義に向けて学部に要請を行う。 |
教務委員会 | 教育課程の計画・実施について大学全体を統制する。 経営学部教育課程及び本教育プログラムの整合性を確認し、 経営学部における専門科目のシラバスの内容の確認・点検を統制する。 また、学生による授業評価アンケート調査を主導し、 結果について経営学部に対しフィードバックを行う。 |
経営学部会議 | 本教育プログラムの要件定義及び学修成果の設定、アセスメント・ポリシーの定義を行う。 経営学部のカリキュラムにおいて、本教育プログラムについて詳細な設計を行い、学修内容を実施する個々の授業科目を定義する。 本教育プログラムを構成する授業科目について、教務委員会の統制のもとでシラバスの内容の確認・点検を行う。また、アセスメント・ポリシーに従って、実施状況の検証・評価に必要な情報提供をIR委員会に依頼し、得られた可視化情報や各種指標について解釈を行う。これらをもとに授業科目を改善する。 |
IR委員会 | 本教育プログラムの検証・評価に必要なIR情報の収集・分析について、アセスメント・ポリシーに従って企画・実施し、可視化した情報や各種指標を各委員会等に提供する。 |
自己点検・評価委員会 | 本教育プログラムが、中長期計画との関連で適切に運用されているかを記録・点検し、各委員会等に対し適切なフィードバックを行う。 |
内部質保証推進委員会 | 機関レベルにおいて、内部質保証の体制を統制する。 |
教育プログラムの計画と目標
本教育プログラムでは、経営学部所属の学生全員に対し、数理・データサイエンス・AIの実践的活用能力を育成することを目標としている。
アセスメントポリシー
「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム」に対応した教育内容を提供し、数理・データサイエンス・AIの果たしている役割やデータ利活用の領域、その事例や価値創出、留意すべき事項について理解できることを、学修成果として定めた(F)~(H)の項目ごとの達成状況について評価を行い、可視化を目指す。
自己点検評価の結果
R6年度の実施結果を受けて、いずれかの適切な時期に掲載する。