今年度より本学でお世話になります岡田龍哉です。私の出身は北海道なのですが、北海道開拓時代には、四国からも大勢の方々が移住してきた歴史があり、私の高祖父(祖父の祖父)も四国で商売人をして、それから北海道に入植してきたそうです。そういう意味では、家系4代をかけ、自分が商売を教育・研究しにこの地に来たことには不思議な縁を感じます。壮大なUターンですね。
私の専門は会計学でして、そのうち、とくに原価計算や管理会計を専門としています。簿記や会計と聞くと、「なんやらいろいろ数字が出てきて、複雑で難しそうや」と思う方もいるとは思いますが、むしろ、そうした数字を知らないと会社の中ではもっとややこしいことになります。だから、みなさんは簿記や会計を勉強するわけなんですね。
会計は「ビジネスの言語」とも言われます。会社の中では、自分の事業や他の事業について聞くときに、言葉で聞くよりも数字で語る方がよっぽどスムーズに伝わります。これまでに勉強したことのないものを難しいと思うのは当たり前ですが、簿記は誰にでもわかるように発明されたものです。それを使いこなせるようになることが、良き企業人としての第一歩ともいえますね。
ただし、会計しか勉強しないというのもまた問題があります。「貧すれば鈍する」とよくいいますが、会計数字(たとえば利益)だけを追い求めてしまったら、「このままでは赤字になってしまう!」「もっと業績を良く見せたい!」と考え、会計不正が起こってしまうこともあります(最近でいっても様々な企業で問題が起こりましたね)。数字の裏には必ず実質があります。数字だけを良くしても実質である会社活動が良くならなければ、会計不正以前に、会社として問題があります。なので、会計の裏にある実質を知るため、そして会計によって実質を良くするためにも、会計だけではなく、経営学部で幅広い知識を身につけることが大事かなと考えています。
と、何だか堅く偉そうな文章になってしまいましたが、会計の原理は勉強してみると意外と単純なものです。わからないことなどがありましたら、いつでもご質問ください。一緒に考えましょう。
これから、どうぞ宜しくお願い申し上げます。(岡田龍哉)