6月17日愛媛県立大洲高等学校で模擬授業を行いました。高松から高校までは約200km、高速道路を走って3時間近い距離にあります。集合時間が9時だったので、余裕をもって5時に家を出ました。天気は良く快適でした。朝が早かったので途中でひと眠りしましたが、8時過ぎには高校に到着しました。時間が早かったので大洲城を訪れましたが、一級河川肱川の河岸にそびえ立つお城は雄大で絵になります。朝の散策には恰好の場所でした。
大洲高校は、中江藤樹邸址に明治34年4月愛媛県立宇和島中学校大洲分校として設置され、平成12年には創立100周年を迎えた歴史ある高校です。生徒は、中江藤樹邸址校(屋敷のあった址にある学校)生徒としての自覚を持ち、藤樹精神の「知行合一(ちこうごういつ)」を伝統的教条とした校風の中で「自立、錬磨、創造」を合い言葉に自己の向上に努めています(学校公式サイトより抜粋)。この藤樹精神は高校の指導目標や校歌にも見られ、これをバックボーンとする校風づくりが長い年月をかけて行われてきました。この中江藤樹は、江戸時代初期の著名な儒学者であり、少年時代から青年時代を大洲で過ごして勉学に励んでいました。27歳の時、生まれ故郷の近江国(滋賀県)に戻って熊沢蕃山など多くの門人を育て、「近江聖人」として人々から称えられました。また「日本陽明学の祖」とも呼ばれています。
授業は、大学での講義の一部を「コンビニの発展と経営戦略」と題して、10名の生徒を対象に2回に分けて行いましたが、全員が和やかさの中にも興味を持って受講してくれました。おかげで生徒とのやりとりも弾み、大変楽しい授業になりました。また、廊下などですれ違った生徒は、全員が明るく大きな声で挨拶をしてくれ、高校生らしいすがすがしさを感じました。中江藤樹の住居を復元した「至徳堂」の場所を訪ねた時は、二人の女生徒が案内までしてくれました。あらためて歴史の重さを感じるとともに、伝統校の持つ素晴らしさを感じた貴重な一時となりました。(末包昭彦)
大洲高校での模擬授業