モンゴルの2種類の国旗

皆さんは日本の国旗を知っていますよね。たいていの国は国旗というと誰でも同じ1つの国旗を思い浮かべます。ところがモンゴル国には国旗が2種類あります。
下の写真は正式のモンゴル国国旗です。昨年国会を訪問し、対外投資政策委員会会長と会談したときに見せてもらったものです。
図1 モンゴル国の国旗
ところでモンゴルという国を知っていますか。モンゴルという名はモンゴル人に由来し「勇敢な人」という意味を持つそうです。この国旗の8本の毛槍のようなものは、真ん中の大きい毛槍がジンギス・カンを、周りの少し小さい毛槍がジンギス・カンを支えた武将を現すそうです。高松大学にもモンゴルから来た留学生がいます。彼らは正確にいうと、中華人民共和国の東北地方にある内モンゴル自治区から来ています。
この内モンゴルとは別の、中華人民共和国の北にあるモンゴル国の国旗が図1の国旗です。モンゴル国とはモンゴルの遊牧民諸部族を一代で統一し、中国北部・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服し、モンゴル帝国を作ったジンギス・カーンの故郷があるモンゴル国です。関西空港からはモンゴル国の首都ウランバートルまで直行便で、約5時間のフライトで行くことができます。モンゴルは以前ソビエト連邦に所属していました。しかし、1990年に民主化し、1992年の新憲法公布後は資本主義の国になりました。
日本にはモンゴルから優秀な大相撲力士がたくさん来ています。アメリカ合衆国ハワイ州出身で第67代横綱になった武蔵丸以降に横綱になったのは全員モンゴル出身です。第68代横綱の朝青龍、第69代横綱の白鵬、第70代横綱の日馬富士、第70代横綱の鶴竜はみんなモンゴル出身です。このような人的交流があるなどで、モンゴル国は親日的な国です。
さて、話を国旗に戻しましょうか。図1の国旗は通常は国会内の儀仗兵に守られた「国旗の間」におかれています。この「国旗の間」はモンゴルで最高位の勲章を授与されるときだけ使われるそうです。しかし、年に1回だけと聞きましたが、国家ナーダムのときは屋外の競技場に掲揚されます。図2の写真には写っていませんが、この写真の少し右に掲揚台があり、そこに置かれています。

図2 ナーダム開会式
もちろん、国旗の周りには4人の儀仗兵か国旗を守っています。ナーダムというのは国を挙げての民族の祭典です。ナーダムはモンゴル国において、年に数回行われる国民行事です。ナーダムではモンゴル相撲・競馬・弓射等の民族競技が行われます。ナーダムはモンゴル各地で行なれますが、最も大きいものが国家主催の国家ナーダムと呼ばれるもので、毎年7月11日の革命記念日から数日間にわたって首都・ウランバートルで開催されます。
図2は中央競技場で行われた昨年度の国家ナーダム開会式の様子です。数時間に渡り、モンゴル国のいろいろな地方から来た人たちが民族舞踊を次々と踊ります。踊りは地方図1によって異なりますが、馬の走る様子など動きを舞踏にしたものが中心でした。やはり、モンゴルは草原と馬の国ですね。この開会式の後、モンゴル相撲の決勝戦が、優勝者が決まるまで延々と続きました。昨年度の国家ナーダムではこの中央スタジアムで、モンゴル相撲・弓射・骨飛ばし等が行われ、ウランバートル郊外では競馬が開催されました。モンゴル競馬は馬の年齢によって20kmとか30kmといった長距離のレースです。
さて、いろいろモンゴル国について書きましたが、モンゴル国に興味をもってもらえましたか。ぜひ、普段使われている布でできたモンゴル国国旗のことを調べてみてください。また、私の部屋にも布のモンゴル国国旗があります。良ければ見に来てください。(丸山 豊史)