新年好!

新年好!--中国語で「明けましておめでとう」の意味です。えっ、いまごろ?と思われる方も多いかもしれませんが、実は、旧暦のお正月を祝う中国では、まだ新しい年を迎えていないのです。今年は2月8日が旧暦の1月1日に当たります。中国語では「春節」と言います。
大晦日になると、まず玄関ドアに「倒福(ダオフー)」と「春聯(チュンリェン)」という春節飾りを貼ります。「倒福」とは「福」という字をさかさまにしたもので、中国語で「倒(逆さまという意味)」と「到(来るという意味)」の発音が同じことから、「福が来ますように」という願いが込められています。「春聯」は「対聯(ドゥイリェン)」ともいい、家族の健康や家の繁栄を祈る言葉を対句にしたものです。
出所:互动中国forum.china.com.cn
夜は家族みんなで餃子を作って食べます。(日本では焼き餃子が一般的ですが、中国では餃子といえば水餃子を指します。)しかし、米食が主流の南部では、餃子を食べる習慣はあまりありません。大晦日には餃子ではなく、「湯圓(タンユェン)」を食べます。湯圓とは黒胡麻餡が入った白玉団子のスープです。満月のように丸く、また湯圓の発音が「団圓(トゥアンユェン)」に近いことから、家族団欒を表しています。
それから、絶対に欠かせないのが魚料理です。中国語で魚と「余(ユィ)」の発音が同じことから、「年年有余」-- 毎年余裕のある豊かな生活ができますように、という願いが込められています。
夜12時が近づくと、町のあちらこちらで爆竹を鳴らし、花火を打ち上げ始めます。日本の除夜の鐘とは対照的で、とてもにぎやかな年越しです。近年では、火災の心配やゴミの問題があるため都市部では禁止されていますが、「1年に一度のことだから」と、あまり守られていないようです。
年々深刻化している中国の大気汚染。それでも、今年もやはり爆竹を鳴らし、打ち上げ花火を上げるのでしょうか?  (稲井富赴代)