香川の活性化

秘湯を生き返らせて、香川県の人口を増やそう。
徳島県立穴吹高校で授業を行うことになった。そこで思い出したのが、美馬温泉下の写真である。
秘湯美馬温泉
まだ、行ったことはまだないが、友達から山の中の秘湯ともいえる温泉と聞いていた。そこで最近はどうなっているのだろうとNETで調べてみた。すると入浴施設は無くなっていた。わずかに見つけることが出来たのが上の写真である。美馬温泉を調べてみて、秘湯ブームとか温泉女子とかの言葉がニュースで飛び交っているので、温泉に行く人は増えていると思っていた。しかし、そうでもないのかもしれない感じ、近隣の温泉を調べてみた。
県境の反対側 香川県の県境近くにも昔からいくつかの温泉がある。美霞洞温泉(みかどおんせんと読む)もその一つの温泉である。美霞洞温泉は香川県仲多度郡まんのう町にある山あいの温泉である。 古くから知られる温泉だが、交通アクセスが良くない。どうなっているのかと調べると、やはり入浴施設は閉館しているようである。施設はないが、温泉場だけが残っているのであろうか、温泉好きな人が入浴することはできるようである。
それではと思い、塩江を調べてみた。塩江温泉はおよそ1300年前に、行基が発見したといわれる昔からある温泉である。高松空港に友人を迎えに行くときには、足を延ばして塩江温泉街の中の「行基の湯」とか「奥の湯」などを楽しんでから空港に迎えに行っていた。「行基の湯」は比較的新しい温泉であり、「しおのえ道の駅」の中に作られた温泉で、塩江温泉の源泉を掘り当てたという名僧・行基にちなみ名付けられた立ち寄り湯である。湯舟や壁面にも木をふんだんに使った浴室には、湯の香りとやさしい木の香が立ちこめている。湯は肌に柔らかく、体のしんから温まると愛好者も多い。また、 岩で囲まれた露天風呂で香東川のせせらぎも聞こえ、風情たっぷりである。しかし、残念なことに1年くらい前から改装工事中とかで利用することができない。もうひとつの「奥の湯温泉」は、塩江温泉郷の中でも最も奥深い竜王山の北麓にある温泉である。広々とした大浴場はガラス張りで、そこからは秋の紅葉や冬の雪景色など季節ごとに変化する山間の大自然が見渡せる。この温泉は高松市の施設とかで、入浴料も安く塩江の中心から足を延ばし時々利用していた。しかし、2017年2月ころに老朽化のために閉館した。また、昔は祖母が塩江温泉に連れて行ってくれていた。祖母はホテルの部屋を取って、温泉に入った後食事をするなど1日を過ごしていた記憶がある。おそらく、樺川荘本館か新樺川荘だと思うのだがどこのホテルかと言われると覚えていない。

塩江温泉街はこのように思い出が多く、頻繁に利用していた温泉街だが、いつも同じ温泉に行き、いろいろな湯に入っているわけではない。そこで塩江温泉街の温泉を調べてみると、「かぶとむし温泉」もいつの間にか無くなっていた。樺川荘本館も2017年9月に温泉ホテルを閉館していた。塩江温泉街でもこのように昔からの温泉は次々に無くなっている。新しく開館 したホテルとしては、「さぬき温泉」「セカンドステージ」「ヴィラ塩江」が見つかった。このようにして温泉も新しい形になっていくのであろうか。今としては「塩江温泉街」という言葉よりも「交流する街塩江温泉」というような新しい生活スタイルに組み込まれた街がいいのかもしれない。
日本全体で人口減少が始まっていることはみんなが承知していることである。香川県でも人口減少が始まっており、100万人という大台を割ってしまった。そこで更なる人口減少を防ぎ、出来れば人口を増やしたいとして各種の対策を講じている。しかし、一つの県だけが人口増加に転じるのは難しい。そこで今後、日本の各地方が目指すべきは、交流人口の増加ではなかろうか。人口増加という時には夜間人口とか住民の増加を指している。
こういう意味の人口増加ができるなら素晴らしいが、難しいと考える。そこで人口を増加させるという活動とともに、交流人口の増加を目指すことも大切なのではないだろうか。「交流人口の増加」とは香川県を訪問する、あるいは香川県の中で各地を観光する人を増やすことである。このような意味で、すでに成果を上げているのが、瀬戸内芸術祭である。瀬戸内芸術祭の開催期間中は多くの人が香川県や岡山県を訪問して知る。また、私が先日女木島に桜見物に行った時にもいくつかの芸術作品がしっかりと残っていた。是非今後とも「交流人口の増加」も図っていくのがよいと思う。(丸山 豊史)