菩提樹が芽吹いてきました。

菩提樹が芽吹いてきました。6月には花も咲きます。
2号館と本館の間にあるビオトープの南側に3本の菩提樹が植えられています。この3本の樹は2010年に赤松先生から寄贈されたものです。この間までは冬化粧でしたが、芽吹いてきて今は緑の葉がグングンと伸びています。6月には写真のような花が咲きます。ぜひ楽しんで下さい。
シューベルトの歌曲集『冬の旅』第5曲菩提樹(”Der Lindenbaum”) ♪泉に沿いて茂る菩提樹♪ と歌われる菩提樹は日本の菩提樹ではなく近縁のセイヨウシナノキです。でも菩提樹というとシューベルトの歌曲集『冬の旅』を思い出す人も多いと思います。
また、この菩提樹という樹は、釈迦がこの木の下で座禅を組んでいるときに悟りを開いた樹として有名です。この写真の樹は大きなインドボダイジュです。このような樹の下で釈迦は悟りを開き、仏陀になりました。
釈迦は北東インドあるいはインドとの国境付近で現在のネパール側にあったといわれている小国の国王の長男として生まれました。宮殿の中ではみんな裕福で幸せでしたが、城門を出ると貧しく苦しい生活を送っている人がたくさんいました。どのようにすればこのようなひとたちを人生の苦しみから解き放つことができるかを悩みはじめ、29歳の時に王子の身分を捨て出家しました。
そして数年後にガヤー村の菩提樹の下で静かに座禅を組んで瞑想にしているときに悟りを開きました。ガヤー村は後に仏陀が悟った場所として“ブッダガヤ”と呼ばれるようになりました。
非常に大きな苦しみで苦闘するさまを表す言葉に「四苦八苦」という言葉があります。「四苦」とは、
①母胎に宿る瞬間より始まる苦悩、
②病むことから生じる苦悩、
③老いに至ることから生じる苦悩、そして、
④死に至る苦悩を言います。
この「四苦」に、4つの苦、すなわち、
⑤愛し合うものが別れてゆかねばならない苦、
⑥憎む対象に出会わなければならない苦、
⑦求めても得られないものを求めてしまう苦、
⑧人間生存自身の苦を示す苦を加えて「八苦」と言います。
このように、仏陀は「この世界は苦しみに満ちています。」と言っています。そして、それぞれの苦しみの原因がなんであるかを明らかにしました。次にそれぞれの苦しみの原因をなくすことが出来れば、苦しみがなくなります。そして、仏陀は苦しみを減らす道を明らかにしたそうです。
ずいぶん、難しい話になりましたが、まずは菩提樹の花を楽しんでください。
(丸山 豊史)

一部分はウィキペディアより引用しました。