留学生研修旅行(高知)

9月12日(木)、留学生研修旅行で高知に行ってきました。この研修旅行は、1.留学生が日本の歴史や文化に対する理解を深める、2.留学生と日本人学生の交流を促進する、を目的として、毎年実施しています。今年は留学生と日本人学生がそれぞれ10名ずつ参加しました。
高知の偉人といえば、坂本龍馬ですよね。しかし、「やっぱ高知といえば広末涼子でしょう」と言われ、思わずジェネレーションギャップを感じてしまいました(笑)。
高知の名所・高知城と桂浜を観光したのち、四国八十八ヶ所霊場31番札所・竹林寺で写経を体験しました。厳かな雰囲気のなか、和尚さんから写経の正式な作法とお手本に書かれている経文の意味を教えていただいた後、写経を始めました。お手本を見ながら自分で書く人、お手本を下に敷いてなぞる人、みな真剣な表情で筆を進めていきました。実をいうと書道が大の苦手である私は、学生たちに見られないように一番後ろに座って、ひっそりと書きました(笑)。
写経が終わって、隣の部屋でお茶とお菓子をいただきましたが、お菓子の名前に使われている漢字を見た留学生から「この漢字なんて読むんですか?」と聞かれて困りました。「栴檀」――みなさん読めますか? 正解は「せんだん」。「白檀(びゃくだん)」の別名です。中国語では「Zhantan」と発音します。ところが、読んでくれた留学生の発音が悪いので「Zantanに聞こえる」というと、隣にいた日本人学生が、「でも日本語の発音はきれいですよ」と優しいひと言。最後に全員の写経を本堂に納経し、写経体験を終えました。
最近「寺ガール」と言われる若い女性のあいだで、お寺巡りや仏像鑑賞、座禅、写経が流行っているそうです。もうとっくに「ガール」を卒業した私ですが、香を聞き、苔生した庭園を眺めると自然と心が落ち着きます。「香を聞く」とは「香をたいて、その匂いをかぐ」ことですが、実は「聞」は中国語で「匂いをかぐ」という意味なのです。この日の写経体験は、留学生だけでなく、日本人学生にとっても、改めて日本文化を知る良いきっかけになったのではないでしょうか。
来年の留学生研修旅行、みなさんもぜひ参加してくださいね。(稲井富赴代)