より良い就職をするために

本学では本年3月の卒業生の約90%が正社員になるなど、大学院進学者以外はほぼ全員安定的な雇用に就きました。ところが、本年3月の全国平均大学生就職率は63%でした。言い換えると大学卒業生3人のうち、2人しか就職していません。
少し詳しく説明すると、今春の大学卒業者のうち
▽正規採用など安定的な雇用に就いた者35万3173人(63.2%)、
▽進学者7万2821人(13%)、
▽安定的な雇用に就いていない者11万5564人(20.7%)でした。
上記の不安定層をさらに分類すると、
▽教員採用など就職準備中4万1832人
▽▽契約社員など非正規雇用2万2786人
▽アルバイトなど一時的な仕事1万6850人
▽進学準備中3326人
▽その他(家事手伝いやニートなど)3万770人です。
なぜこのように多くの大学生が、正規社員ではなく不安定な状態のまま卒業するのでしょうか。これにはいろいろな原因が考えられます。
まず挙げられる理由は、大学生自身が大学在学中にしっかりと卒業後の進路を決めないことがあります。先生や職員の中にも学生に対して科目を教えることとか授業をスムーズに進めることしか行っていない人がいます。科目履修をしただけでは社会に出た後、周りの人と仲良く仕事や生活をすることはできない場合が多々あります。大学時代にしなければならない科目履修以外で大切なことは、卒業後どのような人生を送るかを見つけ出すことです。そのためには興味を持てる職業や仕事について友人、先生、保護者とか信頼する人と議論して、君自身に一番向いている職業を見つけ出すべく努力することです。しっかりインターンシップ関係授業を履修する、サークル活動を行う、多くの友達を作る等の努力をすれば、授業はいろいろ受けたがしたい仕事が見つからない。卒業後もアルバイトを続けるのでいいや。などと考えることにはならないと思います。
卒業時には、自分の進もうと考える方面で正社員として就職内定している大学生がたくさんいます。このような大学生は大学時代に科目の勉強をするだけでなく、自分が進む道を見つけるためや社会で周りの人と仲良く生きていくための付き合い方を身に付けるための努力をしています。たとえば、学内や学外で開催されるイベントを盛り上げるために主催者側として業務を分担したり、サークル・クラブに所属してみんなと一緒に練習したり、発表会を行ったり、試合に出て実力を試したりしながら社会性を身に付けています。また、アルバイトをすることも、実社会の中で周りの人と助け合いながら何らかの仕事を分担するという素晴らしい経験です。アルバイトをしすぎて勉強をする時間がないというのでなければ、アルバイトをすることもいいことです。このようにして大学生の時代はキャンパスライフを楽しんで下さい。そしてサークルやクラブの友達をたくさん作って下さい。そうすればきっと卒業の時には正社員として迎えてくれる会社が見つかっていると思います。(丸山 豊史)