プラモデルから考えるマーケティング

毎日とてつもなく暑い日が続いていますが、みなさん、バテていませんか??
そんな暑い日には、冷房の効いた部屋の中でパチパチとプラモデルを作成することが楽しみ♪という、某カエルの軍曹のような生活をしている私ですが…。現在、作成していない、もしくは作成途中で投げられているプラモデル(ほんの一部)が、私の部屋の片隅でこんな状態に……プラモの神様に怒られそうな心境です。
そんなプラモデルの中でも、私はガンダムのプラモデル、通称ガンプラを愛してやまないわけですが、皆さんは、ガンプラにもたくさんの種類があるのをご存知でしょうか?簡単に言うと、縮尺の違い(1/144か1/100か)、デフォルメされたものか、はたまたリアリティを追及していろいろなポーズが取れるものか、などなど実に様々な種類が存在しています。
では、なぜこれほどまでにたくさんの種類のガンプラが必要なのでしょうか?「大きい方がカッコイイもん!」という理由で、1/100サイズだけを売り出すことだって可能なはずなのに、なぜ様々なサイズや種類のものを発売する必要があるのでしょうか?そこにはたくさんの理由が存在するとは思いますが、今回はその中でも、「STPアプローチ」というマーケティングでよく用いられる理論から考えていきたいと思います。
STPアプローチとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲット設定(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったものです。セグメンテーションとは、市場細分化のことを示しています。市場にたくさんいる消費者を何かの傾向に従って分ける(=細分化)ということです。そして、ターゲット設定とは、その消費者のグループ(=セグメント)にターゲットを絞り、そのターゲットに適したマーケティング活動を行うことを考えます。最後に、ターゲットに対して適したマーケティング活動を行うために、企業は製品をどのポジションに置くのかを考えることを、ポジショニングというわけです。
そんなSTPアプローチをガンプラであてはめてみると、例えば、こんなことが考えられます。
市場にいるガンプラを作りたい・ガンプラが好きな人たちの中でも、「まだ子供が小さくて、お父さんの趣味になんかお金をかけられない!」という子育て世代グループをターゲットとすると、企業はどのようなマーケティング活動を行うことになるでしょうか?パーツがたくさんに分かれた複雑な作りのプラモデルだと、子供が誤って小さなパーツを飲み込んでしまうかもしれませんし、色の塗り分けが少ないプラモデルだと、色を塗る際に子供が有毒な成分に触れてしまうかもしれないので、そのような世代グループには人気がないかもしれませんよね?また、サイズが大きいプラモデルは値段も高く、お父さんの趣味にお金をかけられない子育て世代グループには不人気かもしれませんし、サイズが大きいと完成したプラモデルを置く場所にも困ります。このようなグループに適したマーケティング活動を行うとなると、企業は一体どのようなプラモデルを考え、売り出していくことになるのでしょうか?
ガンプラ一つにも、マーケティングはこのように見え隠れしているわけです!なかなか奥が深いものなのです。マーケティングやプラモデルに興味のある方は是非、研究室にお越しくださいませ。(竹内 由佳)