「あなたの夢は何ですか?」

昔、私が子供の頃「末は博士か大臣か」という言葉がありました。「あなたの夢は何ですか?」と問われた時など、大人たちからよく聞かされました。この度、その博士でもある真鍋淑郎(まなべ・しゅくろう)さんが、「地球温暖化を予測する気候変動モデルへの貢献」で日本人として28人目のノーベル賞(物理学賞)を受賞されました。
真鍋さんは、四国の山間部(現・愛媛県四国中央市)の自然豊かな環境で育ち、幼少の頃から勉学に励まれました。小学校の同級生は、「大学進学後、お母さんから『博士になった』と聞いていた」と語っています。そして、その後も長年に亘って「好奇心を満たす研究を続けてきた」結果、ノーベル賞受賞という栄誉に輝かれました。まさに、子供の頃からの大きな夢を実現されたのだと思います。
一方、凡人の私の場合、「近くの野山や畑の中を走り回ったり、眺望の良い丘に登って遠くの景色に見入ったりしていました。そのせいか、飛行機のパイロットになるのが夢でした。中学・高校・大学と剣道にも夢中でした」(つい最近、地元教育委員会の広報誌の質問に答えた内容です)。結局パイロットの夢は消えましたが、その後、長年に亘って金融の仕事に携わり、今は教員として皆さんと共に学び合う機会を得ています。
「夢の実現」と言えば、大学3年生にとっては、就職活動に向けた準備が本格化します。まずは自己分析、すなわち自分の能力・可能性や価値観等を見つめ直す(再度「あなたの夢は何ですか?」)とともに、企業研究を継続していく必要があります。そして、就職活動が始まれば、自分の持つ能力や特性を最大限発揮するとともに、たとえ困難があってもそれを乗り越える強い意志も求められると思います。皆さんが、それぞれの「夢の実現」に向けて大きく前進されることを心から期待し、応援しています。

 蓮井 明博