新年度スタート?― 新元号は「令和」に決定

きょうから4月。春は桜の季節。そして、入学式・入社式・人事異動などがあって、新しいスタートの季節でもあります。しかし今年の4月1日は、日本中が新元号発表の瞬間を待ち望んだ特別な日です。
新元号は「令和(れいわ)」。
万葉集にある「初春の令月(れいげつ)にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」の文言から引用したもので、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められているそうです。
万葉集といえば、日本最古の歌集で、日本語でありながら、現代日本人にはよく意味がわからぬ難解な書、というイメージがありますが、案の定、凡人の私にはこの歌の意味がさっぱりわかりません。で、すぐに辞書を引きました。「令月」は「万事をなすのによい月。めでたい月」、「珮」は「おびたま。腰にさげる玉」の意味だとか。おめでたい、美しい言葉が並んでいる感じはしますが、なんとなく響きがしっくりきません。
ところが、安倍首相の談話 ?―「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込め、『令和』に決定しました」を聞くと、不思議なことに「すばらしい元号」に思えてきました。

出所:https://www.jiji.com/
そういえば、「平成」の元号が発表されたときも、「昭和に比べると、何となく重みがないな」と感じたものです。しかし30年も使い続けると、「平成ってなんていい響きだろう」と思えるようになりました。あと1ヵ月で「平成」が終わるかと思うと寂しい気がしますが、「令和」に込められた意味を知れば知るほど、新しい時代に希望が持てる気がします。「令和」もきっと日本人の生活の中に深く根差していくことでしょう。(稲井 富赴代)