見果てぬ夢(The Impossible Dream)

つい先日、大好きな歌曲に再び巡り合った。ミュージカル「ラ・マンチャの男(Man of La Mancha)」の中の「見果てぬ夢(The Impossible Dream)」である。このミュージカル作品は、スペインの作家、ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(Miguel de Cervantes Saavedra:1547-1616)の小説『ドン・キホーテ(Don Quijote)』をもとに製作され、1965年にブロードウェイで初演されてから5年6ヵ月のロングラン公演となり、1972年にPeter O’TooleとSophia Lorenの共演で映画化された。その翌年、アメリカのイリノイ大学大学院に留学した私は、リリアンという友人に連れられて、この映画をキャンパスの劇場 で観たのである。そのときの印象がよほど強烈だったようで、今でも、映画のシーンばかりか友人とのやりとりまでが、鮮明に思い出される。
哀愁を帯びながらも、不屈の精神を呼び覚ますそのメロディーは、この上ない歌詞とあいまって、私の魂を震わせ、その後の生きる力になったと言っ てもよい。歌詞には、世間の誹謗中傷に苦しみながらも、勇気と誇りを持って、信じる道をひたすら突き進むドン・キホーテの心情が、見事に歌われて いる。以下にその歌詞の前半部を紹介しておく。
To dream the impossible dream
To fight the unbeatable foe
To bear with unbearable sorrow
To run where the brave dare not go
To right the unrightable wrong
To love pure and chaste from afar
To try when your arms are too weary
To reach the unreachable star
This is my quest, to follow that star
No matter how hopeless, no matter how far
To fight for the right, without question or pause
To be willing to march into Hell, for a Heavenly cause
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学生の皆さん、悲しみに打ちひしがれたとき、心の底から力が湧いてくるような、素晴らしい歌だと思いませんか。(池内 武)