このタイトルを見て、君はどのような内容だと思いましたか。もう少し詳しく書くと、「3年、6人グループに7億円」です。
昨年度は大きな変化がたくさんありました。この話はその中で、大きな変化に伴って起きたあだ花の話です。ここまで読んで答の分かった人は私の授業をしっかりと聞いている人です。
君たちにとって、昨年度の大きな変化は何ですか。
世界の十大ニュースでは、まずは総選挙というか体制の変化ですね。アメリカ、中国、ミャンマー、北朝鮮(この国は総選挙とは言わないでしょうが)、ロシア、日本といろいろな国で政権の変更がありました。また、欧州の財政・金融危機が続くとか、シリア、イスラエル等での戦闘という暗いニュースもありました。NASA無人探査車が火星に着陸は数少ない明るいニュースでしたね。日本の十大ニュースではロンドン五輪で2004年アテネ大会の37個を上回る史上最多のメダル38個が大きなニュースになりました。しかし、オリンピックは世界で見ると4年ごとに行われる行事です。
その他、ノーベル生理学・医学賞に山中教授、東京スカイツリー開業、尖閣国有化で日中関係悪化、5月21日の金環日食は932年ぶりに広範囲で観測、中央道トンネルで崩落、9人死亡等々いろいろありましたね。
でも、ゆっくりと変化しているので10大ニュースには選ばれることは無いのですが、大きな変化がいろいろと起きています。そのゆっくり起きている変化に伴うもののひとつが「3年、6人グループに7億円」というあだ花です。たとえばゆっくりとした変化として、サラリーマンの平均年収は平成9年の467万円から平成22年の409万円へと1年ごとに4万円ずつ収入が減少しています。また、失われた10年とかいっているうちに製造業が苦境に陥っています。たとえば、シャープ、パナソニック、ソニーと日本を代表する企業が大きな赤字を出し、人員削減を行っています。
タイトルの説明としては、このようなゆっくりとした変化の中で、3年間で6人のグループに給与として7億円支払う事例が出たというのがとりあえずの説明です。一人1年間当たり約4000万円です。すごい給与ですね。どのような会社が払うと思いますか。
その会社は上記に書かれたような会社に勤めていた人を新規に雇う会社です。もう分かったでしょう。日本で長い年月をかけて
開発されてきた生産技術を持っている6人のグループを雇い、3年間で技術移転を終えようとする海外の会社があるのです。このようなことが次々に起きると、日本の技術的優位は瞬く間になくなります。このようなことが起きないようにすることが、君たちの将来のため、日本の国を元気にするためには必要です。どのようにすれば、シャープ、パナソニック、ソニー等の日本を代表する企業や
中小企業を元気にすることが出来るか一緒に考えませんか。
Usefulness、Usability、Operabilityを考えたデザインと流通のシステム化が回答だと思っています。
授業の中で議論しましょうか。(丸山 豊史)
6人グループに7億円