中小企業の海外展開が進み、ブリッジ人材、グローバル人材として外国人留学生を採用する企業が増えています。高松大学でも昨年度の経営学部卒業生のうち約4割が日本で就職し、そのうち8割以上が県内企業で働いています。留学生の就職は好調で、今年度もすでに内定率100%を達成しました。
そうしたなか、香川県中小企業家同友会から声をかけていただき、昨年、企業家と留学生の意見交換会が実現しました。6月18日にアイパル香川で開かれた香川県中小企業家同友会の高松第9支部・国際交流委員会合同例会に、高松大学と香川大学の留学生26名が参加 し、企業家とディスカッションを行いました。
「中小企業が留学生を採用するにあたり期待するものは何か?」という留学生の質問に、企業家からは、「モチベーションの高さ」、「発想力」という声が上がりました。一方で、「帰国したら全く連絡がなくなるのは寂しい。技術だけでなく、日本人との繋がりも母国に持って帰ってほしい」という要望もありました。
参加者から次回の開催を望む声が多く聞かれ、11月18日に高松大学で2回目の意見交換会を開きました。この日は、高松大学から21人、香川大学から6人の留学生と20人の企業家が参加し、5つのグループに分かれて、さまざまなテーマで率直な意見交換を行いました。新聞社の取材を意識して(?)か、留学生はいつも以上に熱く語っていました。
企業家からは「留学生から新しいビジネスのヒントをもらえた」、「われわれの気づかない香川の強みやPR方法を教えてもらえて参考になった」等の感想が、留学生からは「企業家と直接話ができてよかった」、「企業が外国人に何を求めているか理解できた」、「どうすれば企業が受け入れてくれる人材になれるかを考えるよい機会になった」等の感想が寄せられました。
意見交換会の後、「しゃぶ亭 まる」で懇親会を開きました。留学生は、しゃぶしゃぶの食べ放題に大喜びでしたが、それ以上に、企業家と鍋を囲んで本音の話ができたのが嬉しかったそうです。
ある企業家は、「留学生はものすごく積極的。それに比べ、わが社の若手社員は少々おとなしい、というか積極性にかける。それと語学力も今ひとつ。打たれ弱いし・・・やはり異文化を体験している人(留学生のこと)は強い」と語っていました。留学生からは早くも「3回目はいつですか?」という質問が相次ぎ、みな次回の意見交換会を楽しみにしています。
香川県中小企業家同友会は、「今後、留学生のインターンシップや企業研究セミナーを実施し、留学生の地元中小企業への就職につなげていきたい」と話してくれました。
留学生のみなさん、“企業が受け入れてくれる人材”になれるよう、ビジネスの現場で通用する高度な日本語能力と社会人基礎力、異文化調整能力(異文化を十分に理解し、異文化接触場面で起こる複雑な状況下で課題を遂行する能力)をしっかり身につけてくださいね。(稲井富赴代)
留学生が企業家と意見交換をしました