Indonesiaジェンデラルスディルマン大学の訪問

今回のインドネシア訪問は2つの目的があり、第1は鉄道駅でもあるPURWOKERTO市に位置するUNSUED 大学と共同研究および学生交流について話し合いを行うこと、第2の目的はPURWOKERTO 市の隣の県にあるPURBALINGGAプルバリンガ県知事とのビジネス交流の推進について話し合いを行うことであった。このうち、UNSUED 大学訪問に関して報告します。
ジェンデラルスディルマン大学(略語 UNSUED)は、インドネシアの中部ジャワ、バニュマス自治区の地元の人がnice and  safety cityと呼ぶPURWOKERTOプルウォケルトにあります。UNSUED 大学は1963年に設立されました。大学の正式名称は ( UNIVERSITAS JENDRAL SOEDIRMAN ) ユニバーシテイー ジェンドラル スディルマンであり、通常は UNSUED 大学と呼ばれている国立大学です。創建当初はEconomic and business(経済ビジネス)学部、農学
部等3学部で発足しました。日本文学 科はEconomic and business(経済ビジネス)学部の一部として比較的早い時期に作られた。しかしながら、日本語学科はそれか ら遅れてようやく2011年に政治社会学部の中に新設された。政治社会学部というのは社会学、行政、政治、コミュニケーション、国際関係、人類学(人類学の中では英文学、 インドネシア文学、日本文学、と中国文学)の学科よりなる学部です。
なお、2103年のUNSUED 大学の学生数は21、475人、教師が1,550人、キャンパスが5つあり、学生のうち半分が本部キャンパスにいる。日本語学科はブラスターキャンパスにある。
丸山はAug.12(火)にUNSUED 大学を訪問しました。訪問の目的は第1に本年4月にUNSUED大学と高松大学の間で大学間交流協定を調印した際にUNSUED大学学長一行が高松大学に 来ていただいたお礼を述べること、第2に具体的な交流をどのように進めるかを経済ビジネス学部等と相談することであった。
そこで12日はまず、経済ビジネス学部を訪問し、「Exchange Student」に関して話し合いを行った。その席でUNSUED大学Economic and business(経済ビジネス)学部より高松大学との 間で、学生交流をしたいとの提案があった。Economic and business(経済・経営)学部にはEconomic学科、 Management学科(特にS&M size business),Accounting学科がある。このうち特にAccounting学科の学生が日本留学し、簿記や会計の基礎授業を受けることを希望しているとのことであった。また、高松大学経営学部の学生にUNSUED大学Economic and business(経済ビジネス)学部 に留学してほしいというものであった。
現在UNSUED大学が推進している「Exchange Student」プログラムには、Exchange Student(交換留学)、International internship(海外で働く)、International Academic Exposure(1週間), Oversea International Event(文化交流)、Oversea International Seminar がある。日本的な表現では短期留学、長期留学、相互訪問をおこなうことを内容とするイベントをおこなっている。
そのうちのExchange Student(交換留学)プログラムでは、短期プログラムを中国北京の大学と行っている。また、長期留学として単位互換制度のもと、学生が1年間マレー シアの大学でマネジメントを勉強している。今回は経営学の進んだ日本の高松大学との交流を行いたいという申し出であった。そして、将来的には日本 国内の日本企業やIndonesiaに進出した日系企業で働く学生を育てたいとのことであった。加えて、UNSUED 大学としては転学ではなく、学籍を残した形での単位互換を希望いしました。さらに時期はUNSUED 大学の休暇の時期というのが話し合いのスタートとなった。
そこで、高松大学の現在の留学生受け入れ状況を以下のように説明しました。UNSUED 大学の休暇の時期の半分は高松大学も休暇であり、授業が開講されていない。また、高松大学経営学部の授業は日本語で行われている。そのため6か月の短期留学では経営の基礎的な概念を学ぶことになり、日本で経営を学んだというレベルに達することが難しい。また、アルバイトによる収入を考えるとUNSUED大学Economic and business(経済ビジネス)学部の3年生(インドネシアでは新学期は10月にスタート)が、3 年生の4月から2年間高松大学経営学部に留学することが望ましいことを説明しました。
さらに、高松大学経営学部の授業を理解し、単位を取得するには日本語検定2級合格が前提であることや、 日本語能力といったときに、「読む・書く・聞く・話す」の4つがあり、そのうち特に「聞く・話す」が大切であることを説明しました。次に、上記の話し合い を受けた両大学学部同士の協定書案を作成しました。
Exchange Student(交換留学)プログラム以外の学生交流プログラムOversea International Event(文化交流) の例としてはUNSUED大学におけるサマーキャンプがある。このサマーキャンプは異文化理解を目的として、昨年も8月に茨城大学の学生が短期留学し、サ マーキャンプを行っている。昨年度のキャンプでは、異文化理解、MANGROVE、HOME STAY、 INDUSTRY(木材)の見学、バティク(サロン(腰巻き)やパレオ、スカーフ、ハンカチ、頭巾などに用いられるインドネシア布地の特産品)の作製、ガ マランというプルウォケルトの伝統的な楽器の講習等がなされた。このイベントにも高松大学学生の参加を希望するとのことでしました。
次に教員の交流に関して少し述べます。UNSUED大学教員の研究テーマの詳細はRESEARCH EXCELLENCEのハンドブックに 書かれている。代表的な共同研究及び共同出版に関する活動としては、UNSUED大学にはResearch Grand for International Research Collaboration プログラムがある。本プログラムの現在のテーマは下記のテーマであり、これらのテーマに関して共同研究等を希望する場合は連絡してほしいとのことであっ た。
*Tropical biodiversity and bio prospecting
*Marine, coastal and inland management
*Food nutrition and health
*New and renewable energy
*Entrepreneurship; cooperation; and micro, small and medium scale
enterprises
*Social engineering and rural development
午後は一番に4月に高松大学に来たエディ学長を表敬訪問しました。学長からは今後とも両大学の連携進めてほしいとの要望と支援したい旨の話をい ただいた。その際、国際交流部門のアガング国際交流部門センター長、Directorエルウィン教授等が同席しました。
その後、政治社会学部のアリ学部長を訪問し、今後の連携に関して話し合いをおこなった。日本語学科は、政治社会学部の中の学科であり、連携に関す る話し合いはEconomic and business(経済ビジネス)学部でおこなったものとほぼ同様の内容であった。
Aug.13(水)は午前7時にUNSUEDウンスック大学Animal Science(畜産)学部の牛舎を訪問しました。そこには5種類の Indonesia牛が飼育されていた。また、何名かの学生が実習しており、日本の牧場での実習の話に興味を持って耳を傾けていた。
次に、UNSUEDウンスック大学政治社会学部日本語学科を訪問しました。日本語学科では学生の話を聞きたいと申し出たところ、休暇中にも関わら ず6名の学生が登校し、対応してくれた。そのうち、1名の2年生はほぼ高松大学に2年生もしくは3年生に転入学出来る会話力であり、4級(日本に おける日本語検定とレベル差があるように感じたが、気のせいか)に合格しているそうである。さらに西安外事学院の日本語教員室と同じような教員室 で、JICAから寄贈された日本語教育の教科書や高松Indonesia友の会が寄贈した日本語文庫等を見学しました。
学生との面談後、日本語学科との共同研究の話し合いとして、下記の話し合いがなされた。Collaboration Research 「Management 」は具体的な研究内容として、「Indonesiaと日本で使われる営業業務における言葉の使い方の比較」を行いたいとのことであった。そこでこのテーマ を共同で研究することとし、具体的な推進方法を検討することとしました。
また、Animal Science(畜産)学部を訪問し、意見交換を行った。Animal Science(畜産)学部はLivestock  Production System、森林育成、農業研究、羊・ダック・鶏・牛等の研究や農家指導を行っている。日本には「養豚大成」という笹崎 龍雄さんが書いた名著がある。このような本の提供も意味があるように感じた。
忙しい旅であったが、Indonesia人や杉本さんルスタムさんをはじめとする現地在住の心の温かい日本人のおかげで楽しい時間を持てました。 (丸山 豊史)