「若者が定着する香川」

地域社会は、少子高齢化、人口減少、過疎化の進行という厳しい状況の下で様々な課題を抱えています。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、香川県の2045年の人口は77万6千人と2015年(97万6千人)から約2割減少、さぬき市や東かがわ市は4割前後の減少となっています。特に15歳~64歳の人口は、香川県が3割の減少、さぬき市は5割の減少、東かがわ市では6割もの大幅な減少が予測されています。
人口減少の要因の一つとして、「若者の県外流出」が指摘されています。香川県の高校生の県内大学進学率は直近で17%、県内大学生の県内就職率は43%と、多くの若者が県外に進学・就職しています(ただし、本学は例外です)。
 こうした中、本学を含む県内9大学等、地元産業界、自治体(県及び17市町)が連携し、「人材の育成・定着及び地域の課題解決に向けた議論と実践を行う場」として『大学・地域共創プラットフォーム香川』が発足しました。既に、「若者が定着する香川」を目指したアイデアコンテストや合同企業説明会等が開催されています。
このほか、三木町では「若者が帰ってくる」ふるさとづくりに注力しています。例えば、地元の高校生が地域の企業を知る活動(インターンシップ)に参加したり、経済団体と連携して地元産の米を使った商品開発等を行っています。また行政も、地域の活力を育む「産業振興ビジョン」の策定に向けて取り組んでいます。
先般、私は「地域活性学会」の研究大会(横浜市)に参加してきました。そこでは、地域活性化に関する種々の研究成果が発表され、特に、「若者が定着するために大切なのは、地元の人々が自分の住んでいるところの良さを認識・再発見すること」等が強調されていました。
本学の場合、県内就職率が8割から9割と高く、「若者が定着する香川」に大きく貢献しています。在学生の皆さんも、自分の住む地域の良さを認識・再発見し、大きな夢を持って就職活動等に臨んで欲しいと思います。そして、皆さんが将来、各地域のリーダー・地域活性化の担い手として大いに活躍されることを心から期待しています。

 

 

蓮井 明博