卒業論文

新型コロナの影響で、「三密」を避けての入学式で始まった令和2年度も残り僅かになりました。4年生は、1月末に苦労して作成した卒業論文を提出し、3月23日(火)には晴れて学位記授与式を迎えます。そこで、今回は卒業論文要約集の発刊にあたって書いた文章の一端を紹介いたします。
「卒業生の皆さん、1年生の頃は、卒業論文と言われても良く分からず、漠然と大変そうだなと思っていたのではないでしょうか。そして3年生の終り頃、予想もしなかった新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、4年生になるといきなり在宅学習です。突然のことで就職活動もままならず、また論文の作成も進まず大いに悩んだことでしょう。幸い、6月からは、制約はあったものの対面授業が開始され、先生の指導も受けられるようになり安心したことと思います。論文作成の開始は遅れたものの、11月の中間報告会を何とか乗り切り、1月末の論文の完成・提出に向けて、正月返上で作成した学生も多かったことと思います。このような苦労を経て論文を提出した時の達成感は、他の科目では得られない特別なものだったのではないでしょうか。
論文にはオリジナリティが求められます。今まで何度も作成したレポートや感想文とは基本的に異なっています。卒業論文は、このように大学生活の中でも特別なものであり、これを完成させることには大きな意義があります。まだ実感はわかないと思いますが、作成することによって大きく成長しているのです。論文の作成にあたっては、テーマを決め、目的を何にするか、目的を達成するために論理をどのように構成すると良いのか、そのためにはどのような文献やデータが必要か、これらをどのように分析、考察すれば良いのか、論旨はどのように展開すれば賛同が得られるのか、また、発表するにあたってもどのような図表を作成し、どのように表現すればよいのか、等々、大いに悩んだことと思います。そして、悩みながらも、学生生活で学んだ多くのことを思い出しながら、あるいは必死になって考えながら論文の完成に向けて努力してきたのではないでしょうか。まさに大学生活の集大成と言っても過言ではないもの、それが卒業論文なのです。」
自信をもって羽ばたいてください。皆さんのご卒業を心からお慶び申し上げます。

(末包 昭彦)