風薫る五月

 “コロナ自粛”に明け暮れ、気がつけば5月も半ば。われわれ人間は、世界中で猛威をふるっているウイルスとの戦いで、これまでの日常を奪われているというのに、校庭に植えられた桜もハナミズキもツツジも、例年と変わらず、美しい花を咲かせてくれました。かれらの愛らしさ、美しさに心を癒され、青々とした若葉に生命のたくましさを感じています。かれらは毎年冬の間ずっと耐えているんだな。いま、われわれ人間の忍耐が試されているのかもしれないな――そんな気がしてきました。

自粛疲れで、そろそろ気が緩んできそうですが、もう少しだけ我慢しましょう。そして一日も早く、キャンパスにみなさんの明るい笑顔が戻ってくるよう心から願っています。(稲井富赴代)