高松丸亀町商店街の研修

高松丸亀町商店街は、中心市街地活性化と地方都市再生の成功例と言われ、全国から多くの人が見学に訪れています。大学でも教養科目の中に3年生を対象に「総合科目」を設け、その中で高松丸亀町商店街振興組合理事長、古川康造氏をお招きし、「向こう100年を見据えて」と題してお話を伺っています。このように、講義では紹介するのですが、地域活性化という視点で見学する機会は、中々ありませんでした。そこで、経営学部の1年生の一部の学生を対象に、ゼミ活動を利用して丸亀町商店街の研修を計画しました。自分の目で見て、自分の頭で考えて理解して欲しかったのです。
教育は、2回に分けて計画しました。1回目は11月15日、2回目は12月6日です。学生はウイリアムズゼミと末包ゼミの1年生19名です。1回目は、パワーポイントで全般的なことを説明したのち、商店街の概要、再開発の状況、研修してみたい場所等をネットで調べさせて、レポートを作成させました。研修のための準備です。2回目は、現地に出かけて、A~G街区別の店舗(通りに面した1階に限定)を調査し、店舗数と業種を、日本標準産業分類の項目に従って記入させました。
調査はG街区からA街区に向けて、西側をウイリアムズゼミ、東側を末包ゼミの学生が行いました。学生が、調査にどの程度興味を示すか不安だったのですが、自分たちが事前に調べていたこともあり、予想以上に関心をもって楽しそうに調査していました。店舗は個人の判断で分類したこともあり、データにややバラツキが見られましたが、次のようになりました。店舗数は東側と西側を合わせて約110店舗、その内の70~80%が小売業で、西側がやや多くなっていました。また小売店で扱っている商品は、婦人・子供服を中心とした身の回り品等の割合が多く、西側では小売店の約2/3を、東側では約半数を占めていました。学生は、婦人・子供服を扱う店舗が多く、ファッション性も高いことに驚いていました。
学生の感想は、「全体に女性をターゲットにした婦人服が多い」「おしゃれな街」「商店街がきれい」「若者が多く活気がある」「A~Gの各街区の特徴が出ていて楽しい」「もっと多くの人が楽しめる店を作ってほしい」「マルシェが地域に密着している」「シャッターの閉まった店がなかった」「さらに、詳しく調べてみたい」などなどでした。現地に出かけて調査し、それぞれが講義では得られない何かを感じてくれたようです。
(末包 昭彦)