大事なのは安さか、それとも…。

さて、夏だ!!と言っても、私は、あまり夏らしいことをしないままお盆も過ぎてしまいました・・・。実は私、記憶の中で最初の海水浴でおぼれたせいか、泳ぐのが大の苦手で海辺には近づきませんし、かといって山派でもなんでもなく・・・やっぱり定番らしく車でお出かけの日々です。高速道路をあえて降りてみて、一般道をのんびり走りながら(速度オーバーはダメですよ!!)、不思議な街並みや、廃れているかもしれないけどこれから再生していくかもしれない商店街を眺めるのが大好きです。
車といえば、ガソリン代が恐ろしく高騰していますよね?私が小学生だった頃…もうかれこれ15年以上前にはなってしまいますが、その頃、私の家の車は、ガソリンではなく軽油を燃料とした車でした。エンジン音は爆音クラスだったし、乗っていると振動もかなり強いものでしたが、とにかく軽油だったため、燃料費が安くてすんでいたそうです。当時、軽油は1リットル80円程度だったので…たとえばタンク容量が60リットルだったとしたら、満タンにしても4800円…。今は軽油でさえ1リットル140円の時代ですから…想像しただけでも恐ろしいですね。
今日、ガソリン代を抑えるため、皆一様にセルフのガソリンスタンドを利用していますよね。セルフスタンドでは、お客様のお迎えなどなく、自分で給油をして、自分で支払いを済まし、誘導もなくスタンドを出ていくというスタイルですね。ガソリン代がそこまで負担にならなかった頃、そう私が小学生くらいだった時には、ガソリンは従業員さんがいるスタンドで入れることが多かったように思われます。窓を拭いてもらい、灰皿を交換してもらって、対向車を確認してもらいながら誘導してもらってスタンドを後にするというスタイルです。そんなガソリンスタンドは今ではとても少なく、どんどん閉店しているようですが、なぜでしょうか?
ここで想像してもらいたいのが、ガソリンというものに皆さんが「こだわり」を持つか、ということです。ガソリンにもハイオクかレギュラーか、だけじゃなくメーカーごとに種類もあります。ですが、消費者である私たちにそれはなかなか伝わらないかと思います。そうなると、私たちは「安かったらとりあえずいい!」と思ってしまいます。となると、安さの競争がガソリンスタンドの競争の一番の要因になってしまいます。これを「価格競争」って言います。価格競争の場合、従業員さんがいるスタンドは不利ですよね?だって、従業員さんが多い分、セルフスタンドより人件費がかかるので、必然的にそこのスタンドのガソリンの値段が上がってしまうからです!!
では・・・もう従業員さんがいるスタンドは、商売していけないのだろうか・・・、というと、そうではないと考えられます。そこで重要になるのが、マーケティングの考え方です。マーケティングでは基本的に価格競争を避けることが重要とされています。価格以外の部分で、「ここが他とは違うところなんだよ!」とアピールすることがマーケティングの基本なのです。ガソリンスタンドでいえば、「うちでは来てもらうごとに無料で空気圧を確認しますよ!」とか「車だけじゃなくて自転車の整備もしますよ!」とか「無料で室内の掃除を毎回しますよ!」のように何か、価格以外のアピールができることを作ることがポイントになります。それが、接客であってもいいし、従業員がイケメンぞろい!というのでもいいし、とにかく個性豊かなアピールポイントが多いのがマーケティングによる戦い方です。それを「差別化」って言います。
これから学園祭・文化祭のシーズンになりますが、どんなお店を出すときも、材料費や儲けの計算も大事ですが、価格以外の部分での戦い方・魅せ方に注目してみるのも、面白いですよ!(竹内由佳)