再び大学祭

先々週、浮穴先生が大学祭について書いていたので、視点を少し変えて書いてみたいと思います。
ご承知のように、今年の大学祭は10月8日(土)~9日(日)にかけて行われました。当初、雨模様の予報で心配していた天気は、第1日目が終了した後、寒冷前線の通過に伴って夜の9時過ぎからかなりの雨風に見舞われたものの、朝方には雨もすっかりあがるという絶好のコンディションに恵まれました。実行委員会によれば、今年のテーマは、「地域の人に参加してほしい」「多くの人に見てもらいたい」「多くの人に来てもらいたい」ということから、「しまい みまい おいでまい」にしたとのことですが、目論見通り当日は天候にも恵まれ、例年以上に多くの人が参加し、大いに盛り上がっていたように思えました。
その実行委員会ですが、今年は8名のうち、委員長、副委員長をはじめ5名が経営学部の学生でした。大学祭の運営を経営学部の学生が中心になって実施し、成果を修めたことは経営学部の教員としてもうれしい限りです。年度当初から、各委員が密接に連携して着実に準備を進めていた姿は、外から見ていてもよく分かりました。また、経営学部の実行委員は、大学祭の準備が忙しい中、「むれ源平石あかりロード」でも重要な役割を担っていました。8月上旬から9月中旬の毎土曜日に行われるボランティア活動に参加することは勿論のこと、事前の10回にわたる石あかり実行員会にもほとんど参加して企画に携わるとともに、ボランティア活動の中心となって活動した学生、ケーブルメディア四国の「たかまつハッピイデイズ」やRSKの「イブニング5時」に出演してPRに努めた学生、オープンキャンパスで石あかりロードの歴史や活動の状況を紹介した学生等々です。その甲斐あって、大学祭当日は、ゲストハウス入口に石あかりを展示していただきました。日が暮れてくると、幻想的な風景が醸し出されていました。改めて、大学祭実行委員の皆さんに感謝したいと思います。
また、実行委員の発案で、昨年に続いて善通寺に駐屯する陸上自衛隊第14音楽隊に参加をお願いしたところ、快く引き受けてくれました。当日はPR等が十分に行われたこともあり、非常に多くの人がステージ前に集まり、手拍子を交えたりして演奏を楽しんでいました。演奏した曲は、子供からお年寄りまで、多くの人が楽しめるような内容で、最後はアンコールで締めくくりました。音楽隊は9月24日~10月4日まで、岡山県北東部に位置する日本原演習場で上級部隊の計画する訓練に参加し、演習後の整備も十分でない中、大学祭に駆けつけてくれたそうです。
このような中で、わがゼミは紆余曲折を経て模擬店で「アメリカンドッグ」を販売しました。例年のことですが、経営学部の学生が出店するのですから、ゼミ担当教員としてはその成果が表れるようにしたいのは当然のことです。絶好の教育の場です。大学祭は、後期が始まってすぐに開催されることから、夏休み前に出店の準備をする必要があります。そこで何を出店するか、から始まるのですが、皆が好き勝手にあれがいい、これがいいと言い出します。そこで、販売商品を決定するためには何を調べる必要があるのか、といったことから話し合いをさせるのです。これまでの大学祭ではどのような品をどの程度の値段で販売していたのか。各商品の売れ行きはどうだったのか。天気は?来場者の人数、年齢や性別は?商品はどこで仕入れるのか?値段は?・・・。学生は自分で調べないで、直ぐ聞こうとします。それを自分たちで調べさせます。このようにして商品を決めても、他のゼミと競合し、抽選で負けると出直しです。こうして商品は決まったのですが、今度はいくらで仕入れて、いくら売るのか?数は?またまた大変です。1年生とはいえ経営学部の学生です。採算性の検討をさせるため、損益分岐点の考え方も教えました。大学祭直前になってやっと販売数と価格が決まりました。当日は役割分担をしていたのですが、予定通りには進みません。座っているだけでは売れません。このような経験をしながら仕入れた250本を何とか完売しました。学生のはちきれんばかりの笑顔が印象的でした。翌週のゼミの反省会では、準備段階からみんなで協力して行動すること、事前の調査をしっかり行うこと、座っているだけでなく積極的に販売すること等々、反省の弁が多く聞かれました。それぞれが学ぶところが沢山あったようです。
このようにして模擬店は終わりました。2日間の収支は、ほぼ当初に見積もったとおりの満足のいく結果となりました。(末包 昭彦)