もうすっかり秋というか寒すぎて冬っぽいですが,秋というと「読書の秋」ですよね??私はマンガだって読書の一つだ!と思っているのですが…。
そう,最近のニュースの中で,『週刊少年マガジンが発行部数100万部を切った』というものがありました。週刊少年マガジンといえば,私の愛する『金田一少年の事件簿』や『生徒会役員共』『バリバリ伝説』などの名作が溢れている少年マンガ雑誌ですが,それが100万部を切るというのはそんなにすごいことなのか?ということで,調べてみると…。
・2010年7月~9月:約155万部
・2013年7月~9月:約132万部
といったように,やはり過去から徐々に,発行部数は減ってきているようでした。やはり,「雑誌を買うより,単行本が出るまで待つ」というスタイルに消費者の姿も変わってきているということなのでしょうか。それだけ,消費者にとって次を楽しみに待っているようなマンガがない!という意味だとしたら,作家さんも編集者さんも大変ですよね…。
ちなみに,2016年7月~9月の他の少年マンガ雑誌はというと,
・週刊少年ジャンプ:約215万部
・週刊少年サンデー:約33万部
・週刊少年チャンピオン:…書いてない(ちなみに2014年は推定50万部とのことですが)やっぱり,ジャンプは強いなーという印象ですが,『週刊少年○○』と名前があるこの4つの運命が現在このような状態だというのは実に興味深い状態だなーと思います。
ちなみに,日本において,『週刊少年○○』が別に4つじゃなくて,3つでも2つでも,1つだっていいわけですが,「どうして4つ存在しないといけないのかな?」と考えたことがあります。マーケティングでいうところの「差別化がどういう意味でなされているか」というところに近いお話なのかもしれません。
例えば,週刊少年ジャンプは,先ほども述べたようにとても根強い人気をほこっていますが,きっとその背景には,「友情・勇気」といったテーマが流れており,それを見たいと(潜在的に)思っている消費者の心をつかんでいます。それにプラスして,少し現実よりファンタジー寄りの作品が多く,対象年齢は他の雑誌よりも少し下(もしくは女性向け)といったところでしょうか。『ONE PEACE』や『テニスの王子様』なんかはそれを見事に体現しています。今より少し前だと,『CITY HUNTER』や『アウターゾーン』『きまぐれ☆オレンジロード』だと,現在のジャンプよりずっと大人向けの深い内容になっているように思えます。
次に,週刊少年サンデーは,まず,やはりスポーツが一つ挙げられるテーマなのではないでしょうか。「スポーツを通しての現実」,「スポーツを通しての恋愛」などを描いた作品が多いように思われます。『タッチ』『MAJOR』『リベロ革命』『ファンタジスタ』などが挙げられます。そしてそれにプラスして,ラブコメという要素が一番強い雑誌でもあります。『うる星やつら』を描かれた高橋留美子先生作品が思い浮かびますよねー。古い作品だと,『タキシード銀(ペンギンに姿を変えられた不良少年が好きな女の子の家で養われる話)』とか。私には『名探偵コナン』でさえもラブコメにしか見えないですし。
そして,週刊少年チャンピオンですが…コンビニでも1冊しか入荷しないという状態の不思議な雑誌ですが,これはすごく特化した作品しか載せていない雑誌ですよね。チャンピオンというと『ドカベン』『刃牙シリーズ』『浦安鉄筋家族』の3つだけのイメージもありますが,かつては『ブラックジャック』や『マカロニほうれん荘』のようなメジャーすぎる作品ばかりが連載されていたというのでおどろきますよ。チャンピオンの特徴は,簡単にいうと「ヤンキーマンガに強い」といったところでしょうか。今は『弱虫ペダル』という大きな作品が生まれていますが,かつてはヤンキーマンガといえばチャンピオンといったイメージがありました。私が一生手放さないであろう『特攻天女』をはじめとして,『クローズシリーズ』『本気シリーズ』など,ヤンキー(暴走族?)マンガを読むならチャンピオン!というイメージがあります。
最後に週刊少年マガジンですが,一般的には「社会派」「現実を描く」のがマガジンのイメージになるのかもしれません。『はじめの一歩』『巨人の星』などのスポーツマンガから,『クニミツの政』のように政治を描くものまで幅広くそろえられています。でもラブコメもあるし,ファンタジーもあるし…ある意味一番特色がない,何でも載せてしまう雑誌なのかもしれません。しかし!!すごく特色のある部分がありました。それは,グラビアです!マガジンのグラビアに出てくる女性は他の雑誌に比べて後々芸能界でスターになる方ばかりだったように思われます。例えば,雛形あき子さんや釈由美子さん,優香さん,小倉優子さんなどの今思えばすごいメンバーが揃っていらっしゃったと思われます。
なるほど,だから4つマンガ雑誌はないといけないのかもなーと,改めて自分なりに考察を加えて納得をしている私なのでした。
この調子で,少女マンガ雑誌についても考察を…と思ってしまいますが,そこはゼミの学生に譲っていきたいなと思います。またマンガのことなどで話したいときはぜひぜひ研究室に遊びに来てください!(竹内由佳)
少年マンガの在り方(?)