ブラジルからの訪問者

3月31日(土)12時30分、予讃線鴨川駅にブラジルサンパウロからの一行5人が、長旅の疲れも見せず元気な姿で降り立ちました。2週間程前に連絡があり、突然の訪問でした。駅に降り立ったのは、父の従妹の美代香さん、彼女の長男アメリコジュリオール夫婦、三女ベアトリスモニカとその娘マリナさんの5人です。出迎えたのは、父方からは楠家の2人、母方からは末包家の5人、合計7人でした。遠方からのお客様を祝福するかのような雲一つない、温かい天候の中でした。
早速、マイクロバスの中から鎌田池の満開の桜を眺めながら、坂出インターチェンジ近くの楠家の人が経営するうどん店に向かいました。全員が大好きな讃岐うどんを食べながら話したのですが、母国語がポルトガル語なので身振り、手振りを交えての悪戦苦闘でした。そんな中、美代香さんの流暢な日本語が威力を発揮し、場の雰囲気が大いに盛り上がりました。美代香さんは92歳ですが、若くて矍鑠としており、24時間もの飛行機の旅にも疲れた様子は見られませんでした。驚きでした。美代香さんとよく手紙のやり取りをしていた父が元気であればどんなに喜んだことか・・・。
昼食の後、楠家に伺いました。私は、今まで県外での生活が長かったため、初めての訪問でした。楠家のご主人が座敷に飾ってある写真を見ながら色々と説明してくれたのですが、私には初めて聞くことばかりでした。美代香さんのお母さんである楠ミツエさん(私の祖母イトエの妹)のことは祖母や父から聞いてある程度知っていたのですが、美代香さんのお父さん、楠正平さんのことは初めて聞くことが多く、新鮮でした。記念写真を撮り、楠家のお墓参りの後は末包家の訪問です。丁度お土産を渡して説明をしている時、突然3人の孫が、娘夫婦、家内と一緒に飛び込んできました。急ににぎやかになり、場の雰囲気がすっかり変わりました。説明どころではありません。3人の孫たちは、初めて会うブラジルからのお客様に興味津々です。ここでも記念写真を撮り、末包家のお墓参りをしました。私は、どうしても外せない、前からの用事があり、名残惜しかったのですがここで別れました。僅か4時間足らずの短い時間でしたが、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。美代香さんの孫、マリナさんからは帰国後にメールが、日本滞在の動画と一緒に届きました。遠く離れた地球の裏側に血を分けた人たちが住んでいるという事実。不思議な気持ちになると同時にブラジルが急に身近に感じられるようになりました。行ってみたいと思うようになりました。92歳になる美代香伯母さんに負けてはおれません。とても温かい、夢のような、そして元気をもらったひと時でした。(末包 昭彦)