
こんにちは。保育学科の辻野です。私は、保育学科1年生の授業で「子どもと造形表現Ⅰ」を担当しています。前期授業も終盤となった7月18日は、他の先生方が聴講される「研究授業」として行われました。
この「研究授業」は、より質の高い授業展開をしていくために年2回開催され、すべての教員に公開されます。研究授業の後には検討会が行われ、気になる点を指摘し、良いところを取り入れることで、お互いの授業の改善を行っていくことが目的です。
この日の課題は、「コラージュ」です。授業の最初に、パワーポイントで「コラージュ」についての説明をしました。
コラージュとは、違う素材を組み合わせることで、新たなイメージの世界を表出させる技法です。1900年の初頭に、20世紀最大の天才美術家と呼ばれるピカソと、彼とともに「キュビスム」を生み出したブラックの二人が創り出した表現技法です。「糊付ける」とか「貼り合わせる」といった意味の彼らが作った造語です。
学生たちが貼り合わせる素材は、5週間かけて製作した、各種の「モダンテクニック」と呼ばれる表現技法の作品です。ドリッピング(吹き流し)やデカルコマニー(合わせ絵)等の13種類の作品を元に、学生の感性で、切ったり貼ったり、新たなイメージを作り出して作品に仕上げていきます。それが「コラージュ」です。家から持ってきた雑誌の切り抜きや写真、色紙を貼ってもいいですし、新しく描き加えてもいいものです!
今回のもう一つのテーマは「個性」です。「自由な発想で、自分の感性を信じて、適当にではなく、心を込めて、大胆に、繊細に、こだわって、人がやっていないこと、人と違うことをしよう!」ということを学生に伝えました。今回は何をやってもいいのです!
そこで、貼っていく下地もいつもなら長方形の画用紙を使いますが、今回は四つ切画用紙を自由な形に手でちぎって(例えば楕円形に)そこに貼り付けていきました。下地からはみ出して貼ってもいいのです!

クレヨンで描き加えたり、顔写真を貼ったり、中には色紙を渦巻き状にちぎって立体的に貼り付けたり、動物や風景に見立てて製作した学生、青系統の色を集めて配色した学生等、個性あふれる作品が多く出来上がりました!
作品がほぼ完成したら、「タイトル」を付けてもらいました。そして、作りっぱなしではなく、他の友達がどんな作品を製作したかを見る作品鑑賞も大切です。後方の白い壁面に出来た人から作品を貼り付けていきました。

今回のコラージュは、作者の感性で本能のおもむくままに切ったり貼ったりしていく抽象作品です。そこに作者の付けたタイトルを見ると、どのような気持ちで作ったか、何をイメージして製作したかが、ちょっぴり垣間見ることが出来て面白いですね!

バラエティ豊かな個性あふれる作品が出来上がりました!コラージュを含めた各種のモダンテクニックは、保育現場で多く活用されている表現技法です。それぞれの学生が、童心に帰って無邪気に作品づくりを楽しんでもらえたかな?