お知らせ
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讃岐おもちゃ美術館でワークショップを開催しました!(10月21日)

こんにちは。保育学科の辻野です。

先日、讃岐おもちゃ美術館で行われたワークショップのご報告です。

「野菜で尺八をつくってみよう!ブルースさんに吹き方を教わろう!」というタイトルで、私の古くからの友人でアメリカ人尺八奏者のブルース・ヒューバナーさんを横浜から招いて、小学生とその保護者の方々に対してワークショップを行いました。私としても音楽とものづくりをコラボさせたワークショップは初めてです。保育学科の学生2人にもアシスタントとして来てもらい、子どもたちへのフォローをしてもらいました。

このワークショップは、尺八という日本の伝統的な楽器に親しんでもらうこと。ニンジンやストローを加工して空気の流れを作り、どのように音が出るのかを体感してもらうこと。プロの尺八奏者によって奏でる多彩な音や美しい生の音色を聴いてもらうことを目的としています。

同じ縦笛でもリコーダーは、吹けば誰でも音が鳴る仕組みになっていますが、吹き口を斜めにカットしただけの単純な尺八の機構は、音を鳴らすのが難しいです。正直、小学生はかなりハードルが高いです。

そこで4段階の作業を設定しました。

まず第1段階として、誰でも音が鳴るリコーダーの機構をストローで作って、音が鳴るかを試してみました。普通の細いストローとタピオカ用の太いストローをハサミとセロテープで加工して、簡単なリコーダーの笛を作りました。細いストローの先をつぶして太いストローに接合する際の微妙な角度や穴の大きさで鳴りにくいストローもありました。しかし、修正を加えながら、最終的には全員ピーピーと鳴らせることができました。口から出る風が細いストローを通して太いストローに当たって流れが変わることで音が鳴る仕組みを感じてもらいました。

第2段階です。ここから難しくなります。今度は尺八の機構を持たせたストローの笛を作ります。

タピオカ用の太いストローの先を斜めに2か所カットするだけの簡単な作業です。唇の使い方や角度で、第1段階のリコーダーの風の流れる機構を唇で隙間を作って音を鳴らすという技術が必要になってきます。隙間風の音からピーという音が鳴る角度を探します。

保護者の方々にも鳴らすことにチャレンジしてもらいました。讃岐おもちゃ美術館の中橋館長も一緒に参加してチャレンジしてくれました。

第3段階は、いよいよ本格的にブルースさんの登場です!ここでは、材料を加工するのではなく、私がプラスティックのパイプ(硬質ビニル電線管)を尺八の吹き口と同じ形に加工したものをそれぞれの子どもたちに渡します。前もって私がそのパイプ1本1本がよく鳴るかを確認しています。そこでブルースさんに唇の使い方や吹く強さ、角度を教えてもらいました。何人かの子どもさん、そして保護者の方も鳴らせることができました。

いよいよ最終段階の野菜(ニンジン)の加工です。

事前に私が野菜で尺八を作って鳴らす実験をしました。ニンジン、ズッキーニ、ナス、キューリ、大根で試してみました。その中でズッキーニとナスは全然音が鳴りませんでした。一番よく音が鳴ったのが、ニンジンでした。そこで今回はニンジンに絞って子どもたちに加工してもらいました。まずは、ニンジンの両方の先を目の細かい安全なノコギリでカットしてもらいました。

次に筒状にするために、ドリルで両端から穴を空けます。ニンジンと電動ドリルを私が固定して、子どもたちには、電動ドリルのレバーを押してもらうだけの作業で穴を空けていきます。

その後、吹き口の角度を決めてノコギリでカットして出来上がりです。

いよいよブルースさんに吹き方を教わりながら、ニンジン尺八で音を鳴らす練習が始まりました.

保護者の方も含め皆さんがどのようにしたら音が鳴るかをいろいろと工夫しながら果敢にチャレンジしてくれました。2人の子どもがきれいなピーという音が出ました。そのコツがわかれば、意外と簡単に音が鳴るんです。

最後にブルース・ヒューバナーさんから尺八の種類や鳴らし方等の詳しい説明を聞き、その後、子どもたちが良く知っているお馴染みの曲を数曲演奏してもらいました。

皆さん、生の尺八の迫力と美しい音色に感動していました。子どもたちも真剣な眼差しで聴いていました。

ワークショップに参加していただいた子どもたち、保護者の方々、お疲れさまでした。楽しんでいただけたと思います。本当にありがとうございました。

また、場所を快く提供していただいた讃岐おもちゃ美術館館長の中橋様始め、スタッフの皆さんありがとうございました。

その日の夜は、同じ讃岐おもちゃ美術館でサンポートホール高松の主催でブルース・ヒューバナーさんのギャラリーコンサートが行われ、大勢の方にお越しいただきました。

日本人でありながら、尺八の生音を聴くチャンスはなかなかないですよね。皆さん、尺八の美しいメロディーにうっとりと聴き入っていました。

本当に充実した一日でした。