お知らせ
授業内容

研究授業 『友達を描く』

保育学科では、年2回「研究授業」が行われます。これは、より質の高い授業展開をしていくために、教員同士で授業を聴講しあい、気になる点を指摘し、良いところを取り入れることで、お互いの授業の改善を行っていくことが目的です。

今回の研究授業の担当は、昨春本学科に赴任された美術が専門の辻野先生です。そして「保育職基礎演習Ⅱ」という授業の中の「連続講座」(第1回目)で実施されました。

1年生の授業「保育職基礎演習Ⅱ」は、前期の「保育職基礎演習Ⅰ」から引き続き、保育学生としての基礎・基本の習得を目的とし、より実践的・専門的な授業内容となっています。そのカリキュラムの中にある「連続講座」は、保育学科の教員全員が、それぞれの専門領域に関する講座を開設し、3回で完結させるという授業です。希望調査によって学生が各講座に分かれての受講となります。今回、この連続講座を受講する学生は4名です。そして、保育学科の先生方10名が教室の後方で聴講されました。

 

【研究授業】

教室となる図工室に入ると作業机が教室の両脇に寄せられ、広く空いたスペースに、ブルーシートが敷かれてあり、そこに幅1m、長さ2.2mの大きな画用紙4枚が、間隔を空けて仮止めされていました。

この連続講座(3回)のテーマは、「友達を描く」です。

最初に辻野先生から、幼稚園児がクレヨンで友達を描いたという大きな作品が、学生の前に提示されました。今回の「友達を描く」というのは、学生がペアになって描画者とモデルを交互に役割を変えながら、等身大の絵を描くというものです。以前,幼稚園でこの活動が行われ、保護者の方々から大変好評だったことも併せて紹介されました。

そして、辻野先生からパワーポイントで授業の概要や描いていく手順の説明がありました。

連続講座の初日となる今日の授業は、鉛筆を使った線描画が主となります。2日目からは水彩絵の具で描くのですが、その下絵として、友達の身体の輪郭線や詳細を鉛筆で描き、陰影は付けません。

最初にそれぞれペアに分かれ、まずモデル役を決めます。モデルになった学生が、画用紙の上に寝て、思い思いにポーズを決めます。寝ているので動きのある大胆なポーズが取れます。そして描画者は、鉛筆をできるだけ垂直に立てて、モデルである友達を上から見て、その外側を正確になぞりながら輪郭線を描いていきます。

美術の世界では、モデルを前に立たせて、それを見ながらスケッチブック等に描くことをよくしますが、直接なぞっていくので、身体のプロポーションを容易に描くことができます。

その後、役割を交代して描画者はモデルに、モデルは描画者になってポーズを決めて輪郭線を描きます。鉛筆で勢いよく強弱を付けながら線で描いていきます。

輪郭線を描き終わると、再び描画者、モデルが交代して、今度は画用紙の横で先程と同じポーズをとって、描画者は輪郭線の内側である顔や手の詳細、服のしわ、縫い目、ロゴタイプ等を細かく線で描き加えていきます。ある程度描き終えたら、描画者、モデルが交代して同様のことを行います。

授業の最後に、お互いの描いた作品を鑑賞しあい、難しかったこと等の感想や、自分たちが保育者になり同じような活動をする際は、どのような配慮が必要かを考える時間も設けました。

その後、みんなで後片付けをして、授業は終了となりました。

 

【研究授業/検討会】

研究授業終了後、日を改めて先生方が集まり、検討会が行われました。保育学科の先生方から授業の中で気になった点、こうすればもっと表現しやすいのではないかというアイデア等がいろいろ出ました。それらの意見を取り入れて、今後の授業展開に役立てていきます。

  

【連続講座2日目】

2日目以降は、それぞれの作品を作業台の上に広げ、刷毛や平筆を使って水彩絵の具で彩色が行われました。広い面積の衣服等を中心に陰影を付けながら塗っていきました。

【連続講座3日目】

最終日は、仕上げとして面相筆等を使い、顔、髪の毛、手足、服のロゴタイプ等の細かな部分を水彩絵の具で描き込んで、無事に完成しました。等身大の友達の絵を描くという大きな作品にチャレンジしたのは初めてで、大変だったけれど楽しかったという達成感が感じられる学生からの声を聞くことができました。