お知らせ
授業内容

授業紹介(子どもと造形表現Ⅱ)①

今回の授業紹介は、1年生後期授業の「子どもと造形表現Ⅱ」です。

この授業は、小中学校での図工や高校の美術のような授業です。ただ、内容はやはり保育者として必要な造形活動の知識や思考力、技能を習得するためにレベルアップします。特に、子どもの経験を豊かにするための様々な素材や色を造形活動に取り入れる点は保育学科の授業ならではです。

そして、今回の造形活動は、ドリームキャッチャーをテーマに、紙皿、タコ糸、和紙等を使いました。ドリームキャッチャーは、アメリカの少数民族に伝わる装飾品です。枕元にかけると、円に張り巡らされた糸に悪い夢が引っかかり、良い夢は網の中心から羽を伝って寝ている人に幸運が入ってくるという、魔除けの効果もあるそうです。

 

大きく分けて次の3つの工程で作ります。

羽の部分として使う紙(和紙染め)を作る

紙皿の中央を切り抜き、糸を通して編み込む

③飾り付けをする

 

まずは、「①羽の部分として使う紙(和紙染め)を作る」から。

色水遊びや染め物などは、皆さんも一度はしたことがあるのではないでしょうか。折った紙に好きなように染料をしみ込ませ、紙を広げて柄を見るという作業です。広げる時はワクワク感があり、小さな子どもからおとなまで、色のにじみ方や色と色の混ざり方のグラデーションの美しさを楽しむことができます。

始めに染める和紙を折ります。この時の折り方で染まり方の模様が変わるので、色々な折り方を工夫して染めていきます。広く染める時は、紙を直接染料に浸して、少しだけ色を染めたい所は、スポイトを使って染めていきます。紙を広げると綺麗に染まった和紙の折った部分が線対称となり、シンメトリーな模様が現われます。

始めは小さい紙で練習を行い、色の染まり方を確認していきます。練習によって染め方の感覚が分かれば、ドリームキャッチャーで使う染め紙を作っていきます。個性あふれる鮮やかな色の染め紙の完成です!

次は「②紙皿の中央を切り抜き、糸を通して編み込む」です。

ドリームキャッチャーの本体作りです。染めた紙を乾かしている間に、紙皿をドーナッツ状の輪っかになるように、カッターを使って、5㎝ほどの幅を残して中央を切り抜いていきます。そして、できた輪っかの内側に、タコ糸を通す穴を開けます。今回は、7個または8個の穴を均等にパンチで開けます。外側には、本体を吊るすための穴1個、羽を吊るす穴3個以上を開けていきます。そして、順番に輪っかの内側に開けた穴にタコ糸を規則正しく通していきます。2周目、3周目とどんどん内側に編み込んでクモの巣のようにしていきます。最初に編み方の説明を受けますが、複雑なので一つ一つ通し方をしっかり確認しながら進めていきます。

最後は、「③飾り付けをする」です。中央のタコ糸や紙皿の部分に絵具で色を塗ったり、和紙で羽の部分を作ったりという手法はありましたが、それ以上に作り込みたい!という学生がたくさんいました。タコ糸を取りやめて、色のついた毛糸を使って編み込んだ人、白い紙皿を単に色を塗るのではなく、染紙をちぎって張り付けたり、毛糸をぐるぐる巻いて重厚感を出したり、ビーズを付けたりして装飾をしました。授業時間で作りきれなかった人は持ち帰って仕上げを行い、それぞれの個性あふれるドリームキャッチャーの完成です!

この授業は、装飾性の高い課題となりました。いろいろな色の毛糸を使って、自由に張り巡らせたり、紙皿を絵具で色を塗ったり、色紙を貼ったりして保育現場でもできる工作です。

大学生の造形表現としては、中央の部分に規則正しくクモの巣状に編み込むという細かな作業と、羽根等を三か所以上ぶら下げるというルールの中で、それぞれの学生が自由に素材や色を使って、いかに個性的で美しいドリームキャッチャーを作っていくかという活動です。造形活動を通して、モノづくりに必要な計画性、色の配色、素材の特徴を知ることができます。