子どもと造形表現Ⅱの授業では、実際の保育現場でも使えるような、様々な手法を用いて製作をしています。
昨年末は、段ボールで立体的な動物のかぶりものを作りました。段ボールなので軽くて丈夫です。顔が隠れるのでリアリティや迫力もあります。調節すれば子ども用のサイズでも作ることができます。お遊戯会の小道具としても使えると思います。
ただ、動物のかぶりものをオリジナルで作っていくのは大変難しいです。そこで辻野先生が用意した2種類の型紙から、基本形を作り、そこから形を変化させたり、パーツを作ってくっつけたりして改造します。馬型とライオン型の2種類をベースに実際の動物でもキャラクターでも空想の動物でもなんでもアリ!ということで、それぞれが作りたい動物を作っていきます。

大まかな作り方は以下の通り、これを4回の授業で行います。
①馬型とライオン型の2種類のどちらを作るか選択する。
②選択した型の型紙を使って 段ボールに展開図を写してカッターで切り取る。
③組み立てる。接合部を両面テープで貼る。
④自分の作りたい動物にするために鼻やあご等の形を改造、耳や角等のパーツを取り付ける。
⑤色塗りや飾り付けをして完成!


形が完成したら、いよいよ色塗りや飾り付けです。ここからは、それぞれの学生が準備した画材や材料を使って、よりその動物に近づけるように色や質感を工夫していきます。資料写真と見比べながら微妙な色の違いを出すために何度も絵具を重ねる学生、より動物らしさが出るように綿や毛糸・フェルト等を用意している学生もいました。動物として目の製作も大変重要なポイントとなります。色や素材を塗ったりくっつけたり、細かな仕上げをして完成です。


担当の辻野先生からのコメント
≪授業のねらい≫
子どもたちは、仮面ライダーのようなヒーローになりたい、怪獣になりたい、ロボットになりたい等、変身願望が大変強くあります。興味を引くこと間違いなしということでこの課題を取り入れました。ただ、この課題をそのまま保育現場で行うには、色塗りや色紙を貼ったりする装飾はできますが、本体の組み立てが難しいです。保育現場では、節分に使う鬼のお面のような単純な形を作ることになるでしょう。
もちろん学生に対しては、やはり完成度の高い製作物として、難しくてもやりがいを感じてもらうために高度なアレンジをしました。
以下にこの課題のポイントをまとめました。
〇段ボールの他に、ボール紙、色紙、画用紙のような紙類、学生がそれぞれ用意した綿、毛糸、フェルト、スポンジ、竹串、リール線等を使って、それらの素材の特徴や、加工方法・接合方法を知ることができます。
〇基本形から鼻やあごの形を改造したり、パーツを作って取り付けたりすることで造形力を養うことができます。
〇ものづくりは、行き当たりばったりでは、効率が悪く、やり直すことになる場合があります。段取りを決めて完成させるまでの計画性が必要になります。
〇実際にいる動物に近づけようとリアルさを求める学生や自分の思い描く架空の動物を作くろうと、色、柄、素材を自由に使い表現した学生もいました。そのような写実性や装飾性も養われます。
【学生作品のご紹介】

