蒸し暑い毎日が続いていますが、お変わりあまりせんか。ビオトープは、植物が元気に成長を続けています。現在、ホタルは2~3匹飛んでいます。
それでは、みなさんお待ちかねの、6月10日に行われた、ホタル観賞会「ホタル驚きセミナー」の○×クイズの解答を発表します。
●ホタル○×クイズ解答
1.ホタルは、山奥の清流(きれいな水が流れている)に住んでいます。
(×) ホタルといえば、ゲンジボタルをさすことが多く、ゲンジボタルの
餌であるカワニナは、清流にはいません。カワニナは、人間が出す
残菜を餌にしているため、人家の近くの水路にたくさんいます。
ゲンジボタルは、人間の隣に住んでいるのです。
2.世界には、約2,000種類のホタルがいます。
(○) その内、約30種類が北海道から沖縄に住んでいます。
3.ホタルの仲間は、幼虫時代には水中で暮らします。
(×) 幼虫時代に水中で暮らすホタルは、ゲンジボタルとヘイケボタルの
他に2~3種類いるだけです。ほとんどのホタルは、一生陸上で生
活します。
4.ゲンジボタルは、卵のうちから幼虫、さなぎ、成虫までずうっと光ります。
(○) 弱い光ですが、卵の時代から光ります。4月、光ながら上陸する
幼虫の幻想的な様子をぜひ観てください。
5.ゲンジボタルは、草(ホタルグサ)や笹の葉の裏に卵を産み付けます。
(×) 石垣や土塀、木などに生えているコケ類に卵は産み付けます。
コケ類は常に水分を含み、卵の乾燥を防いでくれます。コケ類
の生えていないところでホタルは増えません。
6.ゲンジボタルは、毒を持っているので天敵がいません。
(×) 幼虫は、体の両側から毒の出る角を出して身を守りますが、ヒルに
はかないません。陸上では、クモの巣に引っ掛かって命を落とします。
7.ゲンジボタルは、オスの体の方が大きいです。
(×) オスの体長は約15ミリ、メスは約20ミリもあり、メスの方が大きいの
です。長さだけでなく、幅も広いので断然大きく感じます。
8.ホタルは、甘い水が好きです。
(○) 成虫の命は、オスもメスも2週間たらずで、水だけしか飲みません。
水にハチミツを混ぜてやると3週間ほど生きているそうです。甘い水
の方が長生きできるようで、好きと言っていいのかもしれません。
9.ゲンジボタルの幼虫は、水温が30度でも生きられます。
(×) 幼虫が住むことのできる水温は、摂氏5度から21度です。25度
以上になると生きずらく、30度では死んでしまいます。大学では、
水の循環と水深の深い部分を作ることで、水温の上昇を防いでいます。
10.ゲンジボタルが減った原因は、水路を3面コンクリートにしたからです。
(×) 減った原因は強い農薬で、カワニナがいなくなったことです。最近の
農薬は、田園から水路に流れ出すころには、生物に影響しないよう
に改良されています。コンクリート水路は、カワニナにとっては貝殻に
必要なカルシウムが豊富で絶好の住処なのです。現にカワニナは、
栄養豊富なコンクリート水路ではたくさん増えています。そこに幼虫
を放流してやれば増えると思いますが、周囲がアスファルトの道路では
上陸しても土にもぐれないという問題があります。
みなさん、全問わかりましたか。ちなみに、私は6問正解でした。。。(泣)
ホタルの成育の3要素として、「餌、水温、産卵のためのコケ」が大切です。今年のビオトープでは、産卵のためのコケが課題となりましたので、今後検討し、コケが生える環境を整備していきたいと思います。